民俗学
※注意! 筆者は医療の専門家ではなく、また当記事は文化史エッセイに属するものであり医学的内容に責任を負うものではありません。治療に関する判断は専門機関にご相談ください。 α.はじめに 自分の病気の成立に自分自身が能動的に関与しているということを…
0.はじめに 「電車の一駅で読めるのが理想」とされるブログとしては場違いに長くなってしまった本稿は(それにしてもめておブログのこのへんの記事 生者に取り憑く死者 めておろぎーの他者論のーと - めておぶろぐ (hatenablog.com) に比べればずいぶんささ…
まず、怖い話をひとつ。 時は昭和四十年頃、所は八王子。鈴村喜平さんの娘で当時高校一年生だった喜代子さんが行方不明になった。 それからしばらく後、鈴村家では奇妙なことが起こるようになった。頻繁に石鹸がなくなるのである。誰かが盗んでゆくのだろう…
まあそんなに目くじらを立てる話でもない、というかまったく目くじらを立ててはおらずネタとして読んでいただきたいのだが、そうだな、どこから話そうかな、とにかく、あの長野県は野沢町が誇る人気郷土玩具「はと車」を買ったんですよ。 【鳩車】 張り子,…
かつてロンドンに有名な手相見の女がいた。なんでも、よく当たるというのでかのウィンストン・チャーチルも彼女から助言をもらっていたという。そこで作家オスバート・シットウェルの友人であった士官たちが手相を見てもらったところ、彼女はなぜか突然、彼…
統合失調症、といえば妄想や幻覚を主な症状とする精神疾患である。長年にわたって日本を代表する精神病理学者であった中井久夫は、この統合失調症の回復期にある患者が週に一、二回、数十分から二、三時間ほど妄想や幻覚を"軽度再燃"してしまうのを何度も診…
あれは小学生の頃だ。 今は取り壊されてもうない生家の、軒先の畑で遊んでいた時、ふと見知らぬコインを拾った。それは銀色で穴がなく、大きさは百円玉程度だったが、僕が知っている百円玉とも、他のどの貨幣とも違っていた。 ふとあたりを捜すと、そこかし…
死については、専用の図書館が出来るほどすでに多くのことが語られているが、結局のところ、わたしたちは死について、とりわけ自らの死についてすっきり腑に落ちることはないであろう。むしろどれだけ思索し、研究し、あるいは表現しても依然として死は不可…
僕の曽祖父には伝説がある。それによれば、曽祖父は一度死んで生き返った母によって出産されたのだという。そして生き返った母から生まれたため、兄たちがいるにもかかわらず一から数えなおして「一郎」という名前になったというのだ。 なるほど明治の話なの…