2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧
さて先日のブログ(「あの子はいまごろどうしてる 〈出離〉と〈懲罰〉考」)では、どうしても日常の生活秩序から逸脱してしまう女の子のことを書いた。誰にでも心当たりがあるような、職も居場所も男も定まらないあの子。言動に突飛なところがあり、何をする…
エドワード・ウィルフレッド・フォードハムの『反対尋問 イギリスの裁判20例』という本をぱらぱら眺めていたところ、清教徒革命の帰結であるところのチャールズ一世の裁判について載っていた。 この本はタイトル通り、歴史に残る有名な"反対尋問"についての…
1684年フランス。政治改革を夢みる若者ジャン・バプティスト・ムーロンは、17歳の時、扇動罪により百年と一日のガレー船送りの刑を受けた。 彼は鎖につながれ、くる日もくる日も船底で櫂をこぎつづけた。 やがて年をとり、ルイ十五世によって恩赦をうけたが…
ヴィクトーア・フォン・ヴァイツゼッカーの『病因論研究』、というとなにやら小難しそうな書名だが、実際に読んでみると、さほど難しくはない代わりに「いったい自分は何を読まされているんだ……?」というような、ひじょうに困惑した気持ちになる。ちょっと…