メディア・テクノロジー
僕は読書に関してたいへん付き合いが悪く、周囲が話題にしている本をいっちょ自分も読んでみるか、ということをこれまでの人生でまったくやって来なかったのですが、先日話の流れで読書会をやることになり、課題図書のジョナサン・ゴットシャル『ストーリー…
新春おめでとうございます。安田鋲太郎です(・ω・)ノ✨ 僕は春になるとテンションが上がって、まるで新入生のように様々な新しいことにチャレンジしたくなります。そんなわけで『WIRED』の最新号で最先端(?)の世の中の動向をキャッチしようかな、と買ってみ…
洪水のように快楽が与えられている、と70年代生まれの僕には形容したくなる。 YouTube、ネットフリックス、オンラインポルノ……そうした様々な無料あるいはサブスクリプション・サービスに加え、その気になればスマホひとつで始められるマネーゲーム、あるい…
生活や業務のための最小限の「連絡」は別とし、およそ人間関係と呼びうるものは、友人も、恋人も、すべてコミュニケーションに始まりコミュニケーションに終わることを考えると、その巧拙が人生の浮沈に与える影響には甚大なものがあると言える。会話上手に…
幾人かの、このブログを読んでくれそうな人たちの顔を思い浮かべながら書いている。 じつは、今回でこのブログも百本目になるので、ちょっとした反省をまず書いておきたい。このブログは、少々かたちを整えすぎている。そのせいで書くのも読むのも堅苦しくな…
【ここは読み飛ばしてかまいません】 雑多な本を読み漁っていると、それぞれ別個の本が、同じ話やきわめて似通った話をしているのにしばしば出くわす。当ブログはそうした「あっこの話は別の本でも見たぞ」という符合から生み出されることが多いのだが、なぜ…
なにかニュースを見て「こんな不正は許せない」とか「こんな良い活動をしている人がいるんだ」などと思っても、念のためネットで検索すると――ある種のホットな話題ではとくに顕著だが――さまざまなディティールや背景、「同業者のみが知る事情」、真偽の不確…
高山宏『殺す・集める・読む』は文庫本ながら*1 彼らしい稀有壮大な仮説に満ちた文化史的ミステリー論だ。冒頭を飾る三つの論文はシャーロック・ホームズについてのものだが、そのなかで高山は、十九世紀末にピークとなった推理小説ブームの土壌である当時の…
1.余剰としての雑誌 「週刊誌の鬼」の仇名で知られ、池島信平や花森安治と並び称された雑誌編集者の扇谷正造は、『週刊朝日』の編集長時代、大阪を訪れたさい地元の有力販売店の店主に「あなた、人を訪問される時、どこからお入りになりますか」と尋ねられ…
僕はここ何年も、新聞を取ったりやめたりを繰り返している。 取るときはずっと購読するつもりで取るのだが、しばらくたつとあまり読まなくなり配達所に取りやめの電話をかける。でもまたちょっとすると再開する。毎度のことで気恥ずかしいので、電話の態度は…
このところ、新年が近づいてきたこともあって、にわかに旧習の幾つかを断ち切って新生活を迎えたいという気持が高まり、それで新聞や雑誌や本やテレビ等との付き合い方に、かねてから薄々思っていたことを実践に移してみた。 その実践というのは、ようは「体…
1998年、アメリカ・カリフォルニア州の小都市ベルにある地方紙が休刊し、市役所を担当する記者がいなくなりました。記事(安田:2011年朝日新聞デジタル)によると、そのことをきっかけに、市役所所員トップが自分の年収を500万円から12倍の6400万円まで段階…