犯罪
延慶三年(1310)夏、法隆寺の蓮城院(れんじょういん)に強盗が押し入った。 当時はこうした場合に国の警察権力が解決するということは望めず、当事者である法隆寺が捜査に乗り出したが、誰が犯人なのか皆目わからないので、周辺十七の村に「落書起請」(らく…
さて101本目のブログなのだけど、今回は猟奇的な内容になりそうなので、そういうのが苦手な方はただちに引き返すことをおすすめする。人類の所業について、とりわけ理性の錯乱、いや錯乱的な理性とでも呼ぶべきものについて知見を広めたい方は、お読みいただ…
小田晋『精神鑑定ケースブック』のなかに、他のインパクトのある事例に混ざって、ほんの数行だけ素っ気なく触れられている事例がある。 一見他愛ない話なのでさっさと書いてしまうが、小田が精神鑑定をしたその被告人は、詐欺の再犯であった。彼は水道工事請…
1684年フランス。政治改革を夢みる若者ジャン・バプティスト・ムーロンは、17歳の時、扇動罪により百年と一日のガレー船送りの刑を受けた。 彼は鎖につながれ、くる日もくる日も船底で櫂をこぎつづけた。 やがて年をとり、ルイ十五世によって恩赦をうけたが…
『賭博黙示録カイジ』の第一話、ヤクザの遠藤が路上に停めた車のタイヤを、カイジがバリバリに傷つける。カイジはそうやって時折、高級車を傷つけることによって不遇な身上のうさ晴らしをしているのだ。 ところが遠藤が「車がパンクしていた」と言ったとき…