やすだ 😺びょうたろうのブログ(仮)

安田鋲太郎(ツイッターアカウント@visco110)のブログです。ブログ名考案中。

「中期的コンパ」について

孤独に人生をやっていると、ときどき、トンネルを抜けるように、雲間が晴れたように、突然なんだか素晴らしい(と思える)仲間たちに囲まれる時がある。一度に五人も十人も、男女入り乱れ、愉快かつ個性的かつ善良な仲間達が、なにかしらの場所に集い、自分…

空からお金が降ってきた? 幼少時のファフロツキーズの正体

あれは小学生の頃だ。 今は取り壊されてもうない生家の、軒先の畑で遊んでいた時、ふと見知らぬコインを拾った。それは銀色で穴がなく、大きさは百円玉程度だったが、僕が知っている百円玉とも、他のどの貨幣とも違っていた。 ふとあたりを捜すと、そこかし…

ヒトは虚構と現実の区別が苦手である/アントン症候群、その他の事例

アントン症候群、というのは2017年の報告によれば世界で28例しか報告されていない、まあ奇病中の奇病と言っていいだろう。 この症候群はひとことで言えば、失明したにもかかわらず失明したことを認識出来ない疾病である(まれに聴覚についても同じことが起こ…

語るに落ちる

『賭博黙示録カイジ』の第一話、ヤクザの遠藤が路上に停めた車のタイヤを、カイジがバリバリに傷つける。カイジはそうやって時折、高級車を傷つけることによって不遇な身上のうさ晴らしをしているのだ。 ところが遠藤が「車がパンクしていた」と言ったとき…

満たされない心の渇き

「さみしいな、彼女ほしいな」みたいな感情は、彼女ができたり、一緒に暮らしたり結婚したり子どもが生まれても、変らず心の中にあるんだよな。どーもこの満たされない心の渇きみたいなものを、ずっとあり続けると認めずに外に求め始めると危ない気がする。…

ネット論壇から距離を置く

「ネット論壇」にある程度コミットしていた時期があった。リプバトルもさかんにしたし、キャスで議論っぽいこともした。多少名が知られたのかどうかわからないが、全然知らない人に「ツイキャス論客」として紹介されたこともある(リンク参照)。 ronri2.web…

死のカメ、不死のウサギ

死については、専用の図書館が出来るほどすでに多くのことが語られているが、結局のところ、わたしたちは死について、とりわけ自らの死についてすっきり腑に落ちることはないであろう。むしろどれだけ思索し、研究し、あるいは表現しても依然として死は不可…

ヒポコンデリー/人体の脆さと死の運命

※注意! 本稿は心身の疾病について医学的な責任を負うものではありません。あくまでエッセイとしてお読みください。 アルガン「ピュルゴン先生が申されるには、用心しなくなったらたった三日でお陀仏だと」 (モリエール『病は気から』) 心気症、ヒポコンデ…

音楽の魔力/聖母マリアのカンティーガ集

世間にとってとりたてて名盤というわけでもない、だが自分にとっては聴くたびに魔法のように別世界に誘ってくれる、奇跡のようなアルバムがある。 数年に一度巡り逢うそうしたアルバムは、おそらくその時その時の僕の音楽的嗜好と精神状態が渇望しているもの…

女のからだの編集-操作

ピエール・ルジャンドルの下で博士論文を執筆し、パリ第十大学法学部教授にして法制史・宗教史から現行のフランス民法に及ぶ該博な学識で知られるジャン=ピエール・ボーは、その著書『盗まれた手の事件 肉体の法制史』のなかで、フランスの現行法のルーツと…

ピラミッド・パワーと蚤

一九七〇年代の「ピラミッド・パワー」ブームについて、偽科学批判で知られるテレンス・ハインズは次のように回想している。 ピラミッド・パワーとは、ピラミッドの形自体が魔術的であり、神秘的なエネルギーとパワーで満たされている、という考えだ。トース…

「血の窓」、あるいは人の行き違いについて

明治十四、五年の頃、河内の生駒山の麓の住道(すみのどう)村に、辰造とお留という若くて仲睦まじい夫婦がいた。ところが夫の辰造は眼を患い、仕事に就けなくなってしまった。 生活は貧窮し、やむなくお留は奉公に出る決心をした。こうして二人はしばらくの…

「友達」なんていない。

二十代のころ、僕はひじょうに友達が少なく、またそのことをずっと気にしていた。友達の数を指折り数える。親指は高校時代からの親友だ。よかった、まったく友達がいないわけじゃない。 しかし、人差し指、中指と折ってゆくうちに怪しくなってくる。中指か薬…

飲み、打ち、買い、そしてヒトは狩る

神話学者のジョルジュ・デュメジルは、ある時、日本の文化人類学者である船曳建夫に次のように語ったという。「インドの神話では、英雄たちは四つの楽しみを持っている。それは酒、博打、女、狩猟だ」。 船曳はデュメジルに対し、「日本では"飲む・打つ・買…

オープンすぎるSNSからの撤退

人々が、オープンすぎるSNSから撤退している。 この傾向はかなり以前(おそらくはゼロ年代後半)から断続的に観測されてきたもので、わかっている人にはなにを今さらな話だが、SNSの大海で気の合う、価値観が共有できる人を見つけ、そうした人たちをブログや…

心はスクリーンのように出来ている

ジョルジュ・デュアメルは『未来生活の情景』において、友人に無理矢理映画を観させられたときの不愉快な体験について記している。だが、彼にとって映画が愉快だったか不愉快だったかはさしあたって問題ではない。興味深いのは、彼が次のように述べているこ…

ミニマリズム的享楽

趣味にまつわる物事をミニマルな単位に分割し、その極小のものの集合として認識すると、素のまま楽しむのとはまた違った独自の享楽が醸成されてくる。今回はそういう話です。 たとえば野球の試合。あれは完全にミニマリズムの世界だ。ミニマリズムの世界とは…

人間関係が上手くいく4つのルール

その筋ではよく知られている話ではあるが、政治学者のロバート・アクセルロッドによる「囚人のジレンマ」を使ったアルゴリズムの大会がかつて開催されていた(「囚人のジレンマ」についてわからない人はググって下さい)。その第一回は1980年に開かれ、14の…

『読んでいない本について堂々と語る方法』について書いていたら色々話が脱線したがなんとかまとまった

読んでいない本について堂々と語る方法 作者:ピエール・バイヤール 発売日: 2008/11/27 メディア: 単行本 書評文としてまず最初に言っておきたいのだが、この本の評価は高い。アマゾンのレビューがもし本の内容を正しく反映するならば(もちろんそうであった…

そもそもなんでツイッターを始めたのかという話

まだこの世に安田鋲太郎が存在しなかった頃の話だ。 そう、2014年秋。僕は30代後半で、職場と家を往復するだけの単調な日々を送っていた。働いては読書、あと酒。ひたすらこの繰り返し。友達はといえば、地元の無教養な連れがかろうじて数人いる程度だった。…

さよなら救世主(;ω;)ノシ

メサイア・コンプレックスはユング心理学の用語だ。そして多くの概念がそうであるように狭義と広義があり、ここではジム・ジョーンズ、あるいは麻原彰晃がそうであったかも知れないような狭義の、誇大妄想的なメサコンは扱わない。 広義のメサイア・コンプレ…

ポジティブ・シンキングってどうなの?

「今回はポジティブ・シンキングについて肯定側と否定側に分かれて仮想討論するってことで、あたしは否定側ってことになってるんだけど、ハッキリ言って妥協してお茶を濁す気はないからね。っていうかバーバラ・エーレンライクのポジシン批判で尽きてるんじ…

「病は気から」って本当ですか?

【免責事項】本稿は個人的見解を述べたものであり、医学的な記述について責任を負うものではありません! 本人様、ご家族・知人様の疾病につきましては! 専門的な医療機関とか! なんかそういう信頼できそうなアレを!!! もとに! ご判断! ください!!…

夜の鮮烈さを以て……

恐れる必要などない。他人のブログを読んだところで何も変わりはしないのだから。 休み明けの通勤、駅に向かう途中にふと超能力が使えたら、たとえば時間を巻き戻せる能力があったならば、すべてのミス、それも仕事だけではなく人間関係上のトラブルや失敗し…

ゲームが文化の中心になるのかも知れない

ゲームを侮ってはならない。ゲームは年々加速度的に複雑・高度化しており、ゲームをするときに脳が行っている認知的作業は、ある面においてハイカルチャーをも凌ぐからだ――という議論は、2005年の段階ですでにスティーヴン・ジョンソンが『Everything Bad Is…

トイレットペーパーとジジェク

新型コロナウィルスの影響でマスクがどこも品切れ・品薄状態になっていることは周知だが、それに続いてトイレットペーパーやティッシュペーパーがなくなるという噂が流れた。こちらについては、実際にスーパーや薬局でトイレットペーパーが消えたり「紙製品…

本質的な生活って?

本質的で、充実した生活を送りたいというのは万人の願うところであろう。だが、実際にそれが出来ている人は決して多くはない。「神から見れば誰もが病窓の少女」というように、人は環境、経済、健康その他さまざまな制約でがんじがらめにされた存在である。…

ブログをばんばん書く方法

さて。 ここ数か月というものブログをまったく書けない状態が続いていた。そこで先日、仕事中に「ブログ 書けない」で検索してみたところ、ヒットしたページにこう書いてあった。 「ブログを書く方法、それはとにかく書くことです」 僕は深い衝撃を受けた。…

ブログが書きたいです

先日、実家の父が確定申告をやっていたのだが、父は白内障だか緑内障だかで(父に電話で確認するとたぶん話が長くなるので割愛)極端に視力が悪いので、計算部分や清書は僕が手伝った。数日後にお礼の電話がかかってきて「いつもは三月までかかるけれど今年…

気楽に行こうぜ、のすすめ

むかしむかし、あるところに和泉元彌というたいそう人気の狂言師がおったそうじゃ。ある冬のことじゃった。元彌は大和国の公演に一刻(2時間)以上も遅れてやってきた。聞けば同じ日にテレビに出演しておったからだそうで、村人たちはそうなることがわかって…